⚠漢字検定の裏話⚠

 

このページでは、管理人709infoが漢検1級合格までの道のりで知ってしまった漢字検定の裏事情を公開します。

(そこまでマズイ話ではありません…)

 

 

1.「漢検1級合格率」の裏

 

漢検HPには年度・回ごとの合格率が公表されていますが、実はこの数字にはある裏があります。

 

 

公表されている「漢検1級合格者数」の中には多くのリピーターが含まれており、それも一度合格したが再度受検している方々が大多数です。その方々も含めて算出された合格率のため、決して「初受検者の合格率」ではないのです。

 

とある資料によると、1級合格者の内の約7割はリピーターの方だそうです。

 

 

2.「準1級/1級の難易度差」の裏

 

準1級の配当漢字は約3000字、1級の配当漢字は約6000字となります。この情報だけを参考にすると、多くの方々が「1級は準1級の二倍ほどの難しさである」と捉えがちです。

 

まず、準1級では常用漢字の他に約900字の新出漢字を学習する必要がありますが、1級ではそこからさらに約3000字の新出漢字が追加されます。(しかも日常ではまず見かけない漢字)

 

また、漢字には「熟語」や「音読み・訓読み」という組み合わせの要素が生まれるため、学習コストは爆発的に増加します。ゆえに、新出漢字の数の差で試験そのものの難易度の差を語ることはできません。

 

語ることはできませんが、イメージ的には以下のような感じです。

 

 

3.「漢検1級の難易度」の裏

 

漢検最高位である「1級」ですが、実施回によって試験の難易度に大きな差があります。特に近年(平成27年度~)では1級の難化が激しくなり、10年前とは明らかな難易度の差があります。

 

一概には言えませんが、「国名・地名問題の復活」「常用漢字のみのマイナーな熟語」「対義語・類義語で求められる幅広すぎる語彙力」「文脈で判断しづらい同音異義語」「仏教用語の増加」など、数え上げればキリがありません。

 

ちなみに比較的やさしめの回は「サービス回」などと呼ばれるみたいです。

 

 

4.クイズ番組の「漢検1級レベル」の裏

 

クイズ番組の漢字問題などでよく見かける「漢検1級レベル」とは、たいていの場合「漢検1級配当の漢字が含まれるから」「当て字は1級でしか出題されないから」という誤魔化しが含まれています。

 

〇クイズでよく見かける漢検1級レベル

 夥しい(おびただしい) 冬眠鼠(やまね)

 英吉利(イギリス)   鳳蝶(あげはちょう)

 天真爛漫(てんしんらんまん)

 

〇漢検1級で実際に出題された問題

 釁る(ちぬる)    側金盞花(ふくじゅそう)

 巉巌(ざんがん)   行器(ほかい)

 黜陟幽明(ちゅっちょくゆうめい)

 

「漢検1級レベルの漢字クイズが解ける」ことと「漢検1級に受かるほどの実力がある」ことは全く別の話です。

 

 

5.「漢検1級 -完全征服-」の裏

 

漢検協会発行の「漢検1級 -完全征服-」は、1級挑戦者が最初に手に取るであろう公式問題集の一つです。

この本のタイトルにある「完全征服」を見る限り、初めて見た人は「この問題集一冊で漢検1級を完全征服(合格)できる」という意味で捉えがちです。

 

しかしながら、この本の中身はあくまで1級過去問の寄せ集めであり、これを一通り学習しただけでは到底1級合格にはたどり着けないのです。仮にこの問題集を見ながら1級本試験を解いたとしても、せいぜい1~2割ほどしか得点にならないかと思われます。

 

タイトルの「完全征服」とは、「1級を完全征服(合格)するための最初のステップ」と解釈する方が適切かと思われます。